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  1. 滋賀県議会 2023-01-24
    令和 5年 1月24日地方創生・DX推進対策特別委員会−01月24日-01号


    取得元: 滋賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-15
    令和 5年 1月24日地方創生DX推進対策特別委員会−01月24日-01号令和 5年 1月24日地方創生DX推進対策特別委員会         地方創生DX推進対策特別委員会 会議要録                                開会 9時59分 1 開催日時      令和5年1月24日(火)                                閉会 11時51分 2 開催場所      第二委員会室 3 出席した委員    角田委員長、重田副委員長             菅沼委員柴田委員佐口委員田中委員駒井委員、             海東委員奥村委員冨波委員             (欠席委員杉本委員) 4 出席した説明員   関係職員 5 出席した参考人   NPO法人こどもソーシャルワークセンター             理事長 幸重忠孝 氏             NPO法人こどもソーシャルワークセンター
                事業コーディネーター 東岡伶弥 氏 6 事務局職員     岩戸副主幹、奥主査福野主任主事 7 会議に付した事件  別紙次第書のとおり 8 配付した参考資料  別紙のとおり 9 議事の経過概要   別紙のとおり                  議事の経過概要 開会宣告  9時59分 1 ヤングケアラー支援のための環境づくり推進について (1)当局説明  川副子ども青少年局家庭支援推進室長 (2)参考人意見陳述  NPO法人こどもソーシャルワークセンター                      理事長        幸重忠孝 氏                      事業コーディネーター 東岡伶弥 氏 ◎幸重 参考人  NPO法人こどもソーシャルワークセンター理事長を務めています幸重です。本日は、私とヤングケアラー支援事業を担当している東岡からヤングケアラー子供たちが置かれている現状を報告させていただきます。  私自身は、社会福祉士として福祉現場教育現場で勤務していましたが、10年前に個人事務所を設立しました。当初は、京都において活動していたのですが、滋賀県の教育委員会スクールソーシャルワーカーとして勤務していた関係から、2016年に滋賀県に事務所を移転し活動しています。  NPO法人こどもソーシャルワークセンターは、貧困や虐待、不登校やいじめなどの困難を抱える子供たちが過ごせる居場所として、ボランティアの支援を受けながら運営されています。現在、約30名の子供若者たちが利用していますが、そのうち24名がヤングケアラーと呼ばれる状況下で生きています。  昨年3月、県からヤングケアラー実態調査結果が公表され、私個人としては残念な思いを持ち、県のヤングケアラー事業を心配していましたが、昨年の夏に、県から連絡がありヤングケアラー支援事業一緒に取り組んでいくこととなりました。  国としては、ヤングケアラー相談窓口の設置や、インターネットを活用したオンラインサロン事業が示されています。  私個人としては、まずはヤングケアラー子供たちが何を必要としているか、丁寧に聴くことが大事だろうと考えており、県の担当者とも話し合いを重ねているところです。  ここで重要なのは、ヤングケアラーたちを支える若者の力です。今から報告をする東岡ですが、初めはアルバイトとして活動してもらい、その後、ヤングケアラー事業を進めるに当たり常勤職員として勤務してもらうこととなりました。  そして、彼のリーダーシップのもと、ピアサポーター養成合宿を実施しました。高校生大学生ヤングケアラーたちが集まり、ヤングケアラーのために何が必要かを話し合った結果、子供らしい体験が必要だということで話がまとまり、様々な体験活動の場をつくり活動をしています。  子供たちは面談といった形では自身の事を話すことはありません。体験活動の場に参加して、皆といろいろな活動を行っている中で、自身の事をぽろぽろと話してくれます。これが我々の目指す相談の形だと考えています。子供たちが抱える課題を解消することは難しいこともありますが、子供たちが話してくれた言葉を社会に繰り返し発信しています。  オンラインサロンに関しては、ヤングケアラー子供たち参加を呼びかけたとしても、初対面参加してくる子供はいません。体験活動の場を通して出会った子供たちが、対面での会場に来ることが難しい場合には、オンラインでも参加できるよという形で取り組んでいます。  また、啓発活動としては、様々な形でヤングケアラーたちの声を届ける取組を行っています。現在、京都新聞にて、体験活動として合宿の様子ヤングケアラーの実態を伝える記事を掲載してもらっています。  では、本人自身ヤングケアラーとして苦しい生活をした経験を持ち、現在は困難を抱える子供たち支援を行っている東岡からヤングケアラーが置かれている現状について報告いたします。 ◎東岡 参考人  NPO法人こどもソーシャルワークセンターヤングケアラー支援を担当している東岡です。  まず、私の自己紹介をします。私の家族は4人兄弟で兄と2人の妹と両親がいますが、途中から母子家庭になります。妹が産まれて間もなく、父親がくも膜下出血で2年間入院することになり、その後は貧しい生活が続きヤングケアラーとして両親や妹の世話をしていました。当時は気持ちの余裕がなく、兄との喧嘩では包丁を突き刺そうとしたこともありました。その後、妹が高校3年生で出産し、その育児費用を私が負担することになり、当時の私は大学に進学中でしたが、結局、大学を辞めざるを得ない状況になりました。  大学に進学して一人暮らしを始めた時は、ヤングケアラーの問題が解消されたと思っていました。しかし、残された妹が家事を全て担うことになり、マンションから飛び降り自殺をしようとして、警察官に抱き締められながら命を救ってもらうことがありました。  当時、保健師やケースワーカーの方が、私達の家を訪れることがありました。私としては、育児や家事を手伝ってくれるのではないかと期待していたのですが、話すだけ話して終わりで、私が受験生の時も、勉強を教えてくれると思っていましたが、そんなことはなかったという印象があります。  スライド写真は、実際に私が暮らしていた家の様子です。私が家を出てからは、掃除する人がいなくなり風呂も汚れています。別の家に引越しすればいいのでは、と言われますが、喧嘩で壁に穴ができ、その修繕費用に何百万円も必要となるため住み続けるしかないのです。  昨年8月、ヤングケアラー支援活動として、高校生大学生ヤングケアラーたち一緒に、体験活動として琵琶湖で遊びました。ボードゲームピザ作り紙すき体験も行いました。子供自分らしく過ごせるような居場所づくりという活動を行ってきました。また、後ほど説明しますがワークショップも開催しました。  次に、昨年9月は中学生ヤングケアラーたち琵琶湖ボート体験ピザ作りなど楽しく遊ぶ活動をしました。  そして、昨年10月には小学生ヤングケアラーたちとの活動です。当初、希望が丘文化公園でアスレチックの遊びを計画していたのですが、大雨のため守山市内にある施設「マザーボード」の協力を得て、施設の部屋でゲームなどをして過ごしました。  次のスライド写真は、冬期における活動様子です。彦根市内活動されている団体「芹川の河童」と協力して、ヤンマーミュージアムと旅館を貸切りました。子供たちが自由に遊んでいる様子写真ですが、レストランでランチを食べたりしている様子です。また、子供たちヤンマーミュージアムに行ったことがなかったので、疲れ果てるまで遊んでいました。帰り道で、楽しい思い出ができたと話してくれました。  次のスライド写真は、オンラインサロン様子です。オンラインサロンだけでは、呼びかけても参加してくれる人がいませんので、対面居場所もあり会場に来られない場合に、オンラインでの参加もできるような形で実施しています。  当事者子供たちは、ワークショップを求めているわけではありませんので、ボードゲームなどの楽しい時間を過ごし、その中で悩みや困っていることを少しずつ皆と共有する、そのような活動をしています。  この写真は、びわこ成蹊スポーツ大学学園祭での様子です。高校生大学生ヤングケアラーたちスタッフになり、モグラたたきや輪投げをして地域子供たちと遊ぶ活動をしました。  次の写真は、琵琶湖汽船株式会社からの招待を受けてミシガン船に乗ったときの様子です。次に、配食事業様子です。NPO法人こどもソーシャルワークセンターで過ごすときだけは、美味しい御飯を食べられて銭湯に入ることができ満足して帰宅できたとしても、それ以外の時間は家事兄弟の面倒を見ているのがヤングケアラー子供たち現状です。そんな子供たちの負担を少なくしたいという思いから弁当を各家庭に配る、配食事業を開始しました。  次は、立命館大学を訪れたときの様子です。その時にヤングケアラーという言葉を知っていますかというアンケートを行いました。アンケート結果は、知っていると回答した人が多かったです。ただ、ヤングケアラー言葉は知っているが、次にどうしたらいいのか分からず、知っているだけで終わっているとの意見もありました。  大津清陵高校で行ったアンケートでは、職員室の前に貼られているヤングケアラー啓発ポスターを知っているか調査したところ、見たことがあると回答したのは2名で、見たことがないと回答したのが18名でした。啓発活動としてチラシポスターを配布していますが、子供たちはゴミ箱に捨てているのが現状です。 ◎幸重 参考人  補足しますと、先ほどの写真は、楽しそうな子供たち様子ばかりで、これがヤングケアラー支援なのかと疑問に思われた方がいると思います。しかし、ヤングケアラーに限らず子供たちが抱える心のしんどさは、見た目では分からないです。  自治体相談窓口を設置し、相談カードを配布したとしてもヤングケアラー子供たち相談に来ません。体験活動参加申込みチラシポスターを配布したとしても参加してくれません。ヤングケアラー支援事業参加することとなった小学生中学生ソーシャルワーカー等の紹介によるものばかりです。  また、子ども食堂のような子供居場所づくりに取り組まれている運営者に、ヤングケアラー子供たちを、私達のこどもソーシャルワークセンターに紹介してくれませんかと案内しました。一人でも多くのヤングケアラー子供たちとつながることができるのではと期待していましたが、結果として紹介されることはありませんでした。  我々のようなソーシャルワーカー教育現場スクールソーシャルワーカーが協力して、困っている家庭に必要な支援を行いながら、子供が楽しい体験ができるような環境をつくることが大事だと思い活動しています。  では、活動を通して子供たちがどのようなことをつぶやいていたのか、東岡から発表してもらいます。 ◎東岡 参考人  高校生大学生たちヤングケアラーに関する動画を見てもらい感想を聞きました。まず、なぜヤングケアラー子供たち相談窓口に行かないのかを聞くと、自分ヤングケアラーであると思っていないから、との回答が多かったです。当時の私も、家庭の事情を他人に知られたくない気持ちがあり、相談自体も身近な人には伝えたいが全くの他人には話したくない、相談しても何も変わらないと思っていました。相談して解決策が提示されるわけでもなく、相談したことが家族に知られてしまい罪悪感を持つ子供たちもいます。  では、ヤングケアラー子供たち相談窓口につなげるためには、どうすればいいのかを話し合いました。まず、公務員や年齢が離れている人には、何も話したくないし質問もしてほしくない気持ちがあるので、話しやすい環境が必要だろうとの意見がありました。そして、学校先生に関しては、先生を頼りたい人と先生は嫌いだから頼りたくない人と意見が分かれました。  次に、どのような支援があればいいのか話し合いました。放課後に集まれる場所や落ち着いて過ごせる場所友達づくりができる場所が欲しいという意見がありました。また、精神障害見た目では分からないので、精神障害について行政学校関係者に理解してほしいということや、18歳以上の若者にも手厚い支援が必要だという意見がありました。  次に、周りの人たちはどうしたらいいか話し合いましたが、周りの人も実際に相談を受けたとして、どうすればいいのか分からないだろうという意見がありました。友達に相談して深刻に受け止められ友達との関係性が悪くなることもあるので、何でも話せる人や関係づくりが大事だと思います。  例えば、経済的に困っている家庭の子が自分で貯金して最新作ゲームを買うとき、私にどれを買えばいいか聞いてきました。普通は家族に聞くことだと思いますが、相談できないような家族関係なのだろうと思いました。  インターネット相談ですが、ヤングケアラー子供から連絡を受けることはありません。こちらから相談してくださいと連絡すると、相手から連絡してこないでと怒られたことがあります。  大人、行政政治家に伝えたいことは、NPO法人こどもソーシャルワークセンター等現場に来て、子供たちの声を聞いてほしいです。  学校先生に対しては、自身価値観を押しつけないでほしいです。昔の自分も同じような環境で育ったから大丈夫との考え方子供たちを扱わないでください。  国が示すモデル事業を実施しても効果はありません。相談窓口に来る人は年齢的に20歳を超えた人たちばかりで、子供相談できるところがありません。こどもソーシャルワークセンターで過ごしている中で、時々、子供たちが話してくれるので、その声を聞き取っています。  最後に、一時保護等行政機関と関わったことのある子供たちは、大人との面談が繰り返し行われ、自身のトラウマとなる経験思い出してつらいです、と言っています。あと、子供たち意見表明する機会をつくってほしいと思います。当事者子供たちが集い、考えられる子供議会のようなことができたらいいと思います。  以上になります。ありがとうございました。 (3)質疑、意見等菅沼利紀 委員  子ども食堂からヤングケアラー子供たちの紹介がない現状について、何か意見がありましたら教えてください。 ◎幸重 参考人  私は生きづらさを抱える子供たちにこそ、それぞれの地域居場所が必要だと思っています。コロナ禍活動できない状況にありますが、子ども食堂は誰でも利用できる居場所になってきたと思います。ヤングケアラー子供だけを集めるのではなく、誰もが利用でき、その中でヤングケアラー子供も利用しているのが大事だと思っています。  ただし、運営者側が準備に追われて、子供の抱える苦しみや子供がつぶやいている声に耳を傾けられていないところがあると思います。食べることだけ、弁当を配るだけになり、子供たちの声を聞く機会がない状況にあると思います。このことがヤングケアラー子供たちを私達に紹介されなかった理由なのかと考えます。  子ども食堂のような居場所ヤングケアラー子供たちがどれだけいるのか、調査してもいいのではないかと思います。 ◆菅沼利紀 委員  子供たち気持ちを語り合うためには、オンラインやり方では難しいと考えているのでしょうか。 ◎幸重 参考人  オンラインサロンオンライン相談の課題は、気持ちが伝わりにくく誤解が生じることです。  また、オンライン相談で本質的な話をしようとすると、質問を投げかけてばかりになります。相談者であるヤングケアラー側からすると、オンラインでは十分に相談できないと思います。  オンラインサロンに関しても、困り事をテーマにして話し合いをしたのですが、家の悩み事を話して気持ちが沈むので、そうではなく皆で集まったのだからオンラインゲーム等で遊ぶほうが有意義な時間を過ごせると、活動を通じて感じています。 ◎東岡 参考人  オンラインサロンは、家庭問題事を家の中で話さないといけないわけで、周りに家族がいる中で本音が言えません。対面で話せる居場所が大事だと思っています。 ◆菅沼利紀 委員  ヤングケアラーは最近注目され実態調査も近年始まったところですが、ヤングケアラー子供たち増加傾向にあると感じられていますか。 ◎幸重 参考人  私は、スクールソーシャルワーカー仕事もしており児童福祉現場にいます。貧困と虐待を抱えるヤングケアラーは昔から多くいましたし、急増している実感はないです。  ただ、昔は見過ごされていた家庭ヤングケアラー、例えば父親が仕事をして収入はあるが母親が精神的に病んでアルコール依存である家庭や、兄弟が障害を持っていて、そのことで子供らしさが奪われているようなヤングケアラーたちは、今まで見過ごされてきたと思います。近年の啓発や注目が集まったことにより、ヤングケアラーとして認識されるケースが増加しているという実感があります。 ◎東岡 参考人  私も両親がいて幸せな家庭でしたが、父親が病気になったことで母親が子供たちを養わないといけなくなり、突然、貧乏生活になったので、普通の家庭にも起こる問題だと思います。 ◆海東英和 委員  先ほどのスライド写真には、学校先生が信頼できないという意見がある一方で、学校役割仕組みを整理することでヤングケアラー子供たちを発見し支援できる糸口になることも示されていました。また、スクールソーシャルワーカーが少ないので増やしてほしいとの意見がありました。まず、求められる学校役割仕組みについて、どう考えているのか教えてください。 ◎幸重 参考人  子供たち学校に何を求めるのかというと、学校が助けてくれることを期待しています。私も学校を中心にしてヤングケアラーの発見や支援につなげる必要があると思います。大切なことは、先生スクールソーシャルワーカーが生きづらさを抱える子供を発見したときに、支援先に確実につなぐことです。  また、ヤングケアラー子供たち地域の中で子供らしく過ごせる場所が足りていないと思います。現在、学校の中に子供たちが過ごせる場所をつくる取組大津清陵高校で実践していて、成果を上げています。いろいろなやり方子供居場所をつくることはできると思っています。 ◎東岡 参考人  こどもソーシャルワークセンターに来る子供の家を訪問したり電話したりするのですが、嫌だと感じる子供も中にはいます。それぞれの子供に適した支援が必要だと思います。 ◆海東英和 委員  学校先生行政の関わり方などにおいて、必要な仕組みや制度は何でしょうか。命の危険にさらされている子供には生活保護等行政の責任で支援すべきですが、そこまで深刻でないヤングケアラーへの支援のあり方は難しいと思います。子供らしく楽しく過ごせる居場所をつくる方向は理解できますが、同時に家庭生活支援することも併せて行う必要があると思いますが、いかがですか。
    幸重 参考人  スクールソーシャルワーカーが担う役割は大きく、期待もしています。ただ、スクールソーシャルワーカーの制度が始まって14年間が経過しましたが、自治体によって役割仕事内容が異なっている状況です。現場感覚になりますが、学校側に様々な助言や指導をするアドバイザーとしてスクールソーシャルワーカーに期待する自治体もあります。しかし、そうではなく、スクールソーシャルワーカー仕事はその地域を理解して顔なじみの関係を築かないと、ヤングケアラー子供たちを早期に発見して対応することはできないと思います。  ただ、スクールソーシャルワーカーは収入が低く雇用も安定していないことから、その職を選ぶ人が少なく、結果的に人員不足状況です。安定した収入と雇用がないと、表面的な支援活動しかできず、救われない子供が増えると思っています。  私は、スクールソーシャルワーカーが安定した雇用の中で働ける環境を整える必要があると思います。 ◎東岡 参考人  私の妹は私立高校に通っていたので、スクールカウンセラーソーシャルワーカーがいませんでしたが、保健室先生とはよく話していました。しかし、学校を卒業すると、卒業した人と長時間話すことはできないと保健室先生から言われたようです。私も高校卒業後、高校図書館で勉強したかったが、学校側から無理だと言われました。このような経験から子供たちにとって居心地の良い場所が必要だと思っています。 ◆海東英和 委員  学校図書館のような公的施設子供たち居場所になっていない状況であるなら、行政考え方を変える必要があると感じました。今回、県議会議員に対して意見したいこと、取り組んでほしいことはありますか。 ◎幸重 参考人  子供の声に耳を傾けてほしいということに尽きます。そのときは、子供が話しやすいような環境の中で話を聞くことが大事です。県議会議員である皆さんも、生きづらさを抱える子供若者たちを何とかしたいという思いを持たれていると思いますが、子供たち一人一人の声に耳を傾けるというところに重きを置いてほしいです。 ◎東岡 参考人  私は、人件費を増額してほしいです。現在、ヤングケアラー支援事業は、私が一人で実施しているので大変です。また、ヤングケアラー子供たちは、活動の当日に親の面倒を見ないといけなくなり参加できなくなることが多く、その連絡も私が一人で担っているので負担が大きいです。活動を実施するスタッフが増えてほしいと思います。 ◆佐口佳恵 委員  インターネットで自殺や家出の子供に対するアウトリーチ事業を実施しているとのことですが、どのような状況か教えてください。 ◎幸重 参考人  昨年度、助成金を利用してインターネット上で困り事をつぶやいている子にアプローチをする取組に、東岡も取り組みました。それでは東岡から報告いたします。 ◎東岡 参考人  ヤングケアラー子供若者たちツイッターやLINEで発見していく取組ですが、死にたい、家出したい、兄弟の面倒を見たくないという内容を発言した子供たち連絡して相談先を紹介しても、あまり効果がない状況です。インターネットによるやり取りは、雑談で終わることが多いです。  事例の一つに、姉が4人の兄弟姉妹を連れて家出してホテルに宿泊しているところをツイッターで発言していたものを見つけて、やり取りしていたのですが、途中で連絡が途切れてしまいました。その後、やり取りをしていた子の兄と会う機会があり、やり取りをしていた子が自殺したことを聞きました。何とかできなかったのかと悩みましたが、このアウトリーチ事業を継続して実施できる時間や資金もないのが現状です。 ◆佐口佳恵 委員  今回、家事支援学習支援交通費支援、そして人手不足である現状を聞きましたので、県議会議員としてできることを頑張って取り組みたいと思います。 ◆駒井千代 委員  子供の声を聴いてほしいとの意見を頂きました。聴き方として、横に並んで一緒活動していく中で子供の声を聴くべきであるとのことですが、そのような心構えに関する研修を幅広い人にやっていく必要があると思いましたが、いかがですか。 ◎幸重 参考人  子供の声を聴く心構えについて研修も必要だと思います。私としては、学校子供たちが集まる場所ですので、自分意見を発信する場を学校の中につくる方法もあるでしょうし、学校教育活動の中で意見を発信できる方法もあると思います。  来年度のヤングケアラー事業で、高校大学に出向いて何かできないか考えているところです。 ◆駒井千代 委員  ヤングケアラー子供たちが、子供らしくいられる居場所をつくる事業は、助成金といった一時的でなく恒常的に実施できる仕組みが必要だと思いました。私たちも頑張って取り組みたいと思います。 ○角田航也 委員長  幸重様、東岡様におかれましては所用がありますため、ここで御退席いただきます。大変お忙しいところ、当特別委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございました。 (参考人 退席) ○角田航也 委員長  それでは、最初に執行部より説明を求めました、県の取組概要について質疑、意見等がありましたら発言願います。 ◆菅沼利紀 委員  ヤングケアラーの課題に対して実施している施策の内容を教えてください。 ◎川副 子ども・青少年局家庭支援推進室長  今年度、ヤングケアラー事業としては、ピアサポートやオンラインサロンを中心に子供たち居場所や話せる機会の場所づくりを進めています。また、市町との緊密な連携を行うためヤングケアラーに関するコーディネーターの配置やスーパーバイズの体制も必要と考えています。そして、今年度、関係課で構成するプロジェクトチームを設置して庁内連携会議を実施しています。 ◆菅沼利紀 委員  市町との連携を進めるとのことですが、県が予算を確保して市町と実施するのか、市町の予算で実施してもらおうと考えているのか、教えてください。 ◎川副 子ども・青少年局家庭支援推進室長  市町との連携としては、コーディネーターを配置して市町への支援を行うほか、関係機関の職員に対する研修を県で実施する予定です。  国庫補助事業のオンラインサロン事業等は、県と市町とで同額の補助金額が設定されています。ただ、県内の市町では各事業が実施されていない現状があるので、県がモデル的に先行してピアサポート、オンラインサロンの事業を実施して、各市町にも取組が広がるよう進めています。 ○重田剛 副委員長  ヤングケアラーの課題は、教育委員会と連携して、それぞれの子供の事情に合わせて対応する必要があると思います。そのためにも、県として実態を把握していることが必要だと思いますが、どの地域に、どれぐらいのヤングケアラー子供たちがいるのか把握していますか。 ◎川副 子ども・青少年局家庭支援推進室長  ヤングケアラー実態調査を令和3年度に実施しています。様々な機関と連携してヤングケアラー支援体制の在り方を検討する目的から、学校や市町の要保護児童対策地域協議会や相談機関を通じてヤングケアラーと思われる子供の数を調査しました。各機関の中で学校から報告される人数が最も多く、滋賀県全体でヤングケアラーと思われる子供は590人いると回答がありました。  なお、各市町の要保護児童対策地域協議会でヤングケアラーと思われる子供の数は132人でした。 ○重田剛 副委員長  先生との信頼関係がないと子供相談しないと思うので、担任制ではなく教科担任制にしてもいいのではないかと思っています。様々な先生と関わることで、どの先生相談するか子供の選択が広がるような仕組みを検討する必要があると思います。教育委員会と連携して、県は実態を把握した上で必要な施策を検討してもらいたいと思います。 ◎川副 子ども・青少年局家庭支援推進室長  学校先生方との連携は、大事であると認識しています。来年度に実施するヤングケアラーに関する専門研修では、学校先生参加するよう促したいと思っています。福祉や介護、様々な関係者が集まり、ヤングケアラーの実態について多角的な視点で理解を深める必要があると思います。 ◎河地 幼小中教育課生徒指導・いじめ対策支援室長  教科担任制についてですが、小学校においては様々な先生が関わるような仕組みを教職員課で検討しています。複数の先生子供に関わることは大事であると思います。  また、不登校の子供については、休み始めの早いタイミングでアセスメントすることが大事であると感じています。そして、小学校や中学校における不登校の要因の多くは、先生との相性が悪いという調査結果がありますので、ソーシャルワーカーやカウンセラーと連携して対応できるように努めていきたいと思います。 ◆冨波義明 委員  ヤングケアラー関係の施策を実施する前提として、ヤングケアラーの人数や状況を正確に把握する必要があると繰り返し発言してきましたが、県は関係機関に対する調査で済ませています。子供自身ヤングケアラーかどうか分からない場合や、認識していても言えない場合があるので、子供本人への調査は実施しないと説明を受けました。しかし、本人が認識していなくても、また言いにくい場合でも実態を把握できるようにするべきです。また、科学的で客観的に調査する方法がありますので、その調査方法を活用するよう意見していますが、実施していません。  学校先生は30人、40人の生徒を相手しているので、全てのヤングケアラー子供を見つけられないと思います。科学的で客観的な調査方法を活用しながら正確に実態把握することを先に行うべきと思いますが、いかがですか。 ◎河地 幼小中教育課生徒指導・いじめ対策支援室長  科学的な調査方法として、学級アセスメントテストがあります。過去、効果検証として5校で学級アセスメントテストを実施し、その効果を市町の教育委員会に紹介する事業を実施しました。しかし、限られた予算の中で、県および市町においても、学級アセスメントテストよりスクールカウンセラー等の配置に注力してきたことから、その事業は無くなりました。来年度においても学級アセスメントテストを実施するための予算は確保できていません。 ◆冨波義明 委員  北海道、岡山県、広島県では、学級アセスメントテストに代わる自治体独自の調査方法を作成して客観的で科学的に子供たちを把握しています。  学力、いじめの問題、ヤングケアラーに関しても、学級アセスメントテストで細かく調査できるので、実施に向けた議論をしてほしいです。 ◆海東英和 委員  ヤングケアラーの実数調査の結果、学校からは590人との報告があり、一方で、市町からは130人程度と報告があったとのことですが、学校が把握した人数と市町が把握した人数に差が生じた理由と、県はどう対応してきたのか教えてください。 ◎川副 子ども・青少年局家庭支援推進室長  学校で把握した590人のうち、学校側で何らかの支援が必要であると判断したケースが53件ありました。この53件については、全て電話にて現在の状況を確認し、市町の要保護児童対策地域協議会の福祉部局との連携によるサポートや見守り支援が実施されていることを確認しました。また、学校側の了解を得て、県から市町の担当部局に連絡を取り、状況確認や支援に向けた準備について個別に調整したところです。  次に、学校が把握した590人と市町が把握した132人の数字の差については、十分な分析や対応ができていません。 ◆海東英和 委員  支援が必要と判断された53人の子供たちを市町の福祉部局に任せて終わりですか。 ◎川副 子ども・青少年局家庭支援推進室長  市町の要保護児童対策地域協議会を通じて支援しているのですが、その協議会の構成員には県の児童相談所も加わっています。 ◆海東英和 委員  ヤングケアラーの問題は、虐待やDVと違い、行政が関与しにくい課題に対処することが求められていると思います。県は制度や政策を検討して必要であれば条例を策定するなど、対応すべきではないですか。 ◎川副 子ども・青少年局家庭支援推進室長  子育て世帯の訪問支援臨時特例事業があり、内容としては、食事準備、洗濯、掃除を代行する家事支援や、保育所等への送迎をする育児支援ヤングケアラーの負担軽減につながる事業です。事業の実施主体は市町になりますが、県として財源の一部を負担するなど、この事業が展開されるよう市町を支援しています。 ◆海東英和 委員  市町が実施主体となるのであれば、財政負担は国や県が行うことを明示して市町を支援する必要があると思います。 ◆駒井千代 委員  子供たち思いを引き出すため、話しやすい環境子供との関係づくりが大事で、このことに関する研修が必要だと思うのですが、現在、実施されている研修の内容について確認させてください。  私の経験ですが、様々な事情を抱える家庭子供と楽しく遊んでいると、子供から話しかけてきて、非常に深刻な話をすることもありました。この経験からも、こどもソーシャルワークセンターが実施する体験事業の継続的な実施を行政として確保する必要があると思いますが、いかがですか。 ◎川副 子ども・青少年局家庭支援推進室長  ヤングケアラー関係の研修内容については、ヤングケアラーの概念や注意すべき点、またヤングケアラーとして認識した場合にどこにつなぐか等について周知しているところですが、子供の心情に寄り添い自発的に話せるような子供との関係づくりの部分に関する研修の実施には至っていません。来年度の専門研修においては、カリキュラムを組んで実施したいと思います。  次に、子供たちが安心して話せる場所や機会を確保することは重要と考えていますので、次年度以降も体験事業の活動が継続して実施されるように対応したいと思います。 ◆駒井千代 委員  研修の在り方についてですが、座学的に話を聞くだけではなく、教職員や福祉介護の様々な関係者を交えてのグループワークを取り入れるなど、関係者相互の認識、知識の向上につなげる仕組みをつくる必要があると思いますので、よろしくお願いします。 ◆佐口佳恵 委員  参考人からの意見の中で、何か実現できそうなことがあれば教えてください。 ◎大岡 健康医療福祉部理事  子ども食堂において、現状として運営側が子供の抱える苦しみや子供がつぶやいている声に耳を傾けられていない場合があると、参考人から意見がありました。運営者支援者がアンテナを張りヤングケアラー子供に気づくことが重要と考えていますので、研修等を通じて認識や意識の向上につなげるなど、支援者の育成を進めたいと思います。 閉会宣告  11時51分  県政記者傍聴:毎日、京都  一般傍聴  :なし...